シーリング工事

建物内部の快適さを保つ

シーリング工事とは、建物の隙間や接合部に「シーリング材(コーキング材)」を充填し、雨水や風、ほこりなどの侵入を防ぐための工事です。シーリングは、建物の防水性や気密性を高め、建物を保護するために重要な役割を果たします。特に、外壁材やサッシの接合部、窓枠、屋根の継ぎ目など、隙間ができやすい場所に施されます。

シーリング工事の目的

1. 防水効果
建物の接合部や隙間から雨水が侵入するのを防ぎ、内部の構造材が腐食したり、雨漏りが発生したりするのを防ぎます。

2. 気密性の確保
建物の隙間から風や外気が入り込むのを防ぎ、室内の快適な温度を保つことができます。これにより、冷暖房の効率が向上し、省エネ効果も期待できます。

3. 建物の保護と耐久性向上
シーリングによって、外壁や窓枠の継ぎ目などの建物の劣化を防ぎ、建物全体の耐久性を高めます。また、シーリング材が劣化した場合、再施工することで建物の寿命を延ばすことができます。

4. 防音効果
シーリング工事は、外部からの騒音や室内の音漏れを防ぐため、建物の遮音性能を高める効果もあります。

シーリング工事が必要な箇所

外壁の継ぎ目:サイディングやタイルなどの外壁材の接合部にシーリング材を充填して防水処理を行います。

窓枠・サッシ周り:窓枠と外壁の間やサッシ周りにシーリングを施し、雨水や風の侵入を防ぎます。

屋根の接合部:屋根材の隙間や継ぎ目にシーリングを行い、雨漏りのリスクを低減します。

バルコニーやベランダ:バルコニーやベランダの防水層と外壁の間などにシーリングを施し、水の侵入を防ぎます。

シーリング工事の流れ

1. 既存シーリングの撤去
古くなったシーリング材を除去します。シーリング材は時間とともに劣化し、ひび割れや剥がれが生じるため、劣化部分を完全に取り除きます。

2. プライマー塗布
シーリング材がしっかりと密着するように、シーリングを行う部分に「プライマー」という接着剤を塗布します。これにより、新しいシーリング材が剥がれにくくなります。

3. シーリング材の充填
シーリング材をガンで隙間や接合部に充填します。適切な量を均一に充填することがポイントです。

4. ヘラで押さえて仕上げ
充填したシーリング材をヘラで押さえて整え、表面を滑らかに仕上げます。これにより、隙間をしっかりと埋めて、防水性を確保します。

シーリング材の種類

ウレタン系シーリング材:伸縮性があり、柔軟性が高いのが特徴です。外壁の継ぎ目など、動きがある部分に使用されます。ただし、紫外線に弱く、屋外での使用には定期的なメンテナンスが必要です。

シリコン系シーリング材:耐候性、耐水性に優れ、外部や浴室など湿気が多い場所にも適しています。ただし、塗装ができないため、塗装面の近くには使用されないことが多いです。

ポリサルファイド系シーリング材:耐久性と耐薬品性が高く、特に防水が重要な場所で使用されます。価格は高めですが、長寿命でメンテナンスの手間が少ないのが特徴です。

アクリル系シーリング材:主に屋内で使用されるもので、外部にはあまり適しません。価格は安価ですが、耐久性が他の種類に比べて劣ります。

シーリング工事のメンテナンス時期

シーリング材は時間とともに劣化し、ひび割れたり、硬くなったりします。シーリングの寿命は使用する材料や施工環境によりますが、約10年が一般的な目安です。ひび割れや隙間が生じた場合は、再施工が必要です。シーリング工事は、建物の隙間や接合部を密閉し、雨水や風の侵入を防ぐための重要な工事です。特に、外壁や窓枠など、雨風にさらされやすい部分に適切なシーリング処理を行うことで、防水性や気密性を高め、建物の耐久性を長期間にわたって維持できます。

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